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近刊

定価 3410円(本体 3100円+税10%)
四六判 上製 ・304ページ
2024年 12月 3日 刊
ISBNコード:978-4-8269-0266-3
分類コード:C0033
在庫状況:近刊
The Digital Factory by Moritz Altenried

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AI・機械の手足となる労働者 デジタル資本主義がもたらす社会の歪み

モーリッツ・アルテンリート 著 小林啓倫 訳

テック企業が労働市場を支配する

 

プラットフォームを介し国境を越えて労働力を集め、アプリによって働きぶりを精密に管理し、秒単位で雇い、クビにする――

Amazon, Google, Uberなどが「発明」した労働形態は、なぜこれほど普及しているのか?

そして、世界にいかなる矛盾を生んでいるのか?

 

労働市場の大きな割合を占めつつある新しい仕事によって起こり始めた世界的な変化を、綿密な調査と取材をもとに分析した社会学・経済学読み物。

 

「デジタル技術の進化により、さまざまな作業や業務が自動化されたように見える現代社会だが、その裏には多くの「人間による労働」が残されている。いや、残されているというより、人間の労働力が機械やアルゴリズムを中心とした仕組みに組み込まれていると言うべきだろう。アルテンリートは本書において、それを「デジタル工場」という概念にまとめ、幅広い調査に基づいて、批判的考察と理論化を試みている」(「訳者あとがき」より)

目次

第1章 工場を去る労働者―イントロダクション

デジタル工場へ

デジタル工場の研究

本書について

 

第2章 グローバルな工場―ロジスティクス

コンテナ、あるいはロジスティクス革命

アルゴリズム、あるいは第2の革命

小売業の台頭

クリスマスの熱狂―配送センターへ

バーコードとスキャナーのリズムに合わせて作業する

労働の標準化・労働力の多数化

アマゾンの次のフロンティア―ラストワンマイル配送

ラストワンマイルにおける労働

極端な柔軟性―プラットフォーム労働力の出現

シームレスではない何か

 

第3章 遊びの工場―ゲーム

ロサンゼルス、ベルリン、深センの間のゲーム労働者

「1日12時間、1週間休みなしで、私は同僚とモンスターを殺し続けています」

アゼロスの政治経済

デジタル・シャドーエコノミー

二重の移民

デジタル労働・デジタル移民

ゴールドラッシュの後

ゲーム開発―ゲームスタジオにおける労働と対立

テスティングの労働力

エレクトロニック・アーツのケース

対立、喜び、物質性

 

第4章 分散型工場―クラウドワーク

「サービスとしての人間」

オンデマンド労働力のグローバル生態系

AIの裏側にある労働

「月100ユーロ稼がないと生活できないんだ」

デジタル組立ライン

オンデマンド労働力

プラットフォームの労働者

クラウドワークと家事・育児

「次の50億人」

隠れた労働力

 

第5章 隠れた工場―ソーシャルメディア

プラットフォーム広告の政治・経済に対する影響力

アルゴリズムのアーキテクチャー―論理、制御、労働

クラウドの物質性

海中へ、そして工場へ

アイフォーン・シティ

コンテンツ・モデレーション―「目にするものの酷さは、想像を超えています」

良いコンテンツ・悪いコンテンツ

文化に惑わされるアルゴリズム

ベルリン、オースティン、ダブリン―アウトソーシングを担う移民労働者

産業化された意思決定

ソーシャルメディアの暗部のグローバルな地理

「米国人やオーストラリア人と働くのとほとんど同じ感覚」

インフラ化

 

第6章 工場としてのプラットフォーム―結論

ベスレヘムからアマゾンへ―テイラー主義の過去と現在

工場としてのプラットフォーム

移動労働者、柔軟になる境界、分散化する紛争

労働の終焉に向けて

 

第7章 感染した工場―エピローグ

 

謝辞

訳者あとがき

参考文献

原注

索引

著者紹介

モーリッツ・アルテンリート

フンボルト大学ベルリンのヨーロッパ民族学研究所およびベルリン経験的統合・移民研究所(BIM)の研究員。

翻訳者紹介

小林啓倫

1973年東京都生まれ。筑波大学大学院修士課程修了。システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米バブソン大学にてMBA取得。外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業などで活動。著書に『FinTechが変える!』(朝日新聞出版)など、訳書に『AIの倫理リスクをどうとらえるか』『情報セキュリティの敗北史』『操作される現実』『ドライバーレスの衝撃』『テトリス・エフェクト』(以上、白揚社)、『1兆円を盗んだ男』『ランサムウエア追跡チーム』(以上、日経BP)などがある。

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