白揚社トップ > 書籍案内 > 父親の科学

定価 2640円(本体 2400円+税10%)
四六判 上製 ・288ページ
2019年 6月 17日 刊
ISBNコード:978-4-8269-0208-3
分類コード:C0040
Do Fathers Matter?: What Science Is Telling Us About the Parent We've Overlooked by Paul Raeburn

父親の科学 見直される男親の子育て

ポール・レイバーン 著 東竜ノ介 訳

★お父さんって、意外にすごい!★

 

父親はお金を稼ぐ以外に育児に貢献していないの?

お父さんが子供に与える影響ってどんなものがあるの?

父親の役割はいつどのように生まれたの?

人間以外の動物の子育てはどうなってるの?

夫婦が仲良くしていると子供もハッピー?

歳をとってから父親になることにリスクはあるの?

そもそも父親は子育てに本当に必要なの?

 

これまで見過ごされることの多かった育児における男親の役割を、脳神経科学、心理学、人類学、動物学、遺伝学などなど、科学的な視点から徹底検証します。

最新の研究成果が明らかにする〈意外にすごい〉お父さんの実力!

 

*全米育児出版賞金賞!

*マムズ・チョイス・アワード金賞!

目次

はじめに 屋根裏のがらくたを一掃する

知っていること、知っていると思っていること/父親ができることは「たいしてない」?/軽視される父親の役割/まぬけで愚かなお父さん/本書の構成/父親は重要か?

 

1 父親のルーツ――ピグミー、キンカチョウ、飢饉

ウミガメの子育て、ティティの子育て/家族はいつ頃登場したか?/太古の家庭生活をさぐる/アカによる大人中心の子育て/子供といる時間の質と量/父親は胎児に影響を与えうるか?/飢饉に見舞われた土地/エピジェネティックな変化/有害物質と次世代の遺伝子/赤い足環のキンカチョウ/親のストレスと子供の健康/父性発現遺伝子

 

2 受精――遺伝子同士が行う綱引き

単為生殖への挑戦/刷り込み遺伝子の発見/アンジェルマン症候群/プラダー・ウィリー症候群/妊娠における母親と胎児の争い/ホームズの決めゼリフ/刷り込みと精神疾患/スイッチをオンにする方法

 

3 妊娠――ホルモン、うつ、最初の争い

出産を機に生じる不和/すれ違う気持ち/男性のホルモンも変化する?/蔑ろにされる父親研究/父親と愛着理論/父親のうつと子供のうつ/コペアレンティングに対する夫婦の態度/妻の妊娠中に夫は何をすべきか?

 

4 実験室から見る父親――二十日鼠と人間

げっ歯類の本音を聞き出す/母ラットの目覚め/対照的な二種類のマウス/カリフォルニアマウスの子育て/なぜ違いが生まれたのか?/協力する精子たち/コウテイペンギンへのご褒美/献身的な父親いろいろ/出産に立ち会う男たち/不倫と遺伝子/父親に組み込まれた計り知れない柔軟性

 

5 乳児期――作り変えられる父親の脳

子供が生まれた後のアイデンティティ/乳児からの信頼/泣き声に対する脳の反応/親は誰でも強迫性障害/作り変えられる父親の脳/子供の感情に寄り添う/夜泣きを減らすには/添い寝とテストステロン/はっきりと覚えていること

 

6 幼児期および学童期――言葉、学習、バットマン

言葉の発達と父親/金持ち父さん、貧乏父さん/不安定さの効用/父親の関与と子供の人間関係/たばこの煙と子供の肥満/誰が子供たちを生かしておくのか?/たとえ父親が死んでも

 

7 ティーンエイジャー――父親の不在、思春期、ハタネズミの貞節

父親の不在と性的な奔放さ/娘の繁殖戦略/フェロモンの影響?/ハタネズミの貞操観念/父親のいない子ネズミの社交性/動物の実験を利用する/オキシトシンの可能性/ティーンエイジャーで父親になる/思春期の子供との付き合い方

 

8 高齢の父親――待ったことの報酬とリスク

見過ごされてきた不安な数字/急増する高齢パパ/次々に見つかる病気との関連/統合失調症の定説と新発見/父親の年齡は本当に関係があるのか?/自閉症との関係/マウス実験再び/広がる懸念/私たちはどうすべきなのか?/本当の問題/高齢の父親がもたらす福音

 

9 父親の役割

火の使用とジェンダーロール/例外はあるのか?/仕事と家庭の時間割/父親を悩ます様々な葛藤/子育てから閉め出される父親たち/父親の不在が与える影響/不在、貧困、脳

 

おわりに 父親は重要である

 

訳者あとがき/本書について/註

著者紹介

ポール・レイバーン

AP通信科学担当デスク、米国科学著述協会会長を経て、科学記者・解説者。「ディスカバー」、「サイエンティフィック・アメリカン」、「ハフィントン・ポスト」などに寄稿多数。主な著書に『火星』(日経ナショナルジオグラフィック社)などがある。

翻訳者紹介

東竜ノ介

1962年東京生まれ。成城大学文芸学部卒業。

関連書籍