- 定価 3740円(本体 3400円+税10%)
- 四六判 上製 ・480ページ
- 2020年 2月 刊
- ISBNコード:978-4-8269-0216-8
- 分類コード:C0045
- The Evolution of Beauty by Richard O. Prum
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美の進化 性選択は人間と動物をどう変えたか
「美のための美」はなぜ進化したのか?
メスが美的感覚をもとに配偶者を選び、オスを改造していく――世界的鳥類学者が、美の進化にまつわるダーウィンの〈危険思想〉をよみがえらせ、刺激的な新説を提唱する。
華麗な鳥の羽から人間の同性愛やオーガズム、性的自律性の進化まで、従来の進化論では説き明かせない美と性の謎に斬り込む野心作。
ニューヨークタイムズ紙の「年間ベストブック10冊」(2017年)や、ピュリッツァー賞のファイナリスト(一般ノンフィクション部門、2018年)に選出されるなど、高い評価を受けた話題の書。
◆生物学・人類学の世界的権威が絶賛!◆
「興味の尽きない魅力的な本。……読者は驚嘆することだろう」
――ジャレド・ダイアモンド(カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授、『銃、病原菌、鉄』著者)
「きわめて独創的な、必読の書。鳥や人間を含む動物の体と行動に、性選択がどれほど影響を与えたかを教えてくれる」
――ダニエル・E・リーバーマン(ハーバード大学教授、『人体600万年史』著者)
「進化について刺激的な新しい見方を提示している」
――フランス・ドゥ・ヴァール(エモリー大学教授、『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』著者)
「美が生命史の核心にあるという魅力的な考えを教えてくれる」
――カール・ジンマー(『進化』著者)
「今年私が読んだうちで最も刺激的な本。読者のものの見方をまるっきり変えてしまうだろう」
――マイケル・ポーラン(『欲望の植物史』著者)
目次
第1章 ダーウィンの危険思想──美の進化はニヒリズムか?
第2章 美の生起──セイランの羽はどうしてできたか
第3章 マイコドリの求愛ダンス──行動と系統の生い立ち
第4章 美の革新と退廃──キガタヒメマイコドリの翼歌
第5章 カモのセックス──雌雄の軍拡競争とレイプ
第6章 野獣が生み出した美──ニワシドリのあずまやの謎
第7章 ロマンスよりもブロマンス──レックとオス同士の絆の進化
第8章 ヒトに生じた美──装飾とペニスの謎
第9章 快楽の生起──ヒトと類人猿のオーガズムの進化
第10章 「女の平和」効果──女性の性的自律性と「美による改造」
第11章 同性愛の進化──ヒトの性的選り好みはどう決まるのか
第12章 美による生命観──芸術と優生学を考える
著者紹介
リチャード・O・プラムイェール大学鳥類学教授、イェール・ピーボディ自然史博物館脊椎動物学部門主任学芸員。世界中で鳥類学のフィールドワークを行なう。中国産の獣脚類恐竜の化石を研究し、恐竜の羽と色の発見に貢献した。マッカーサー・フェローやグッゲンハイム・フェローを数々受賞。
翻訳者紹介
黒沢令子鳥類生態学研究者、翻訳者。地球環境学博士。NPO法人バードリサーチで野外鳥類調査の傍ら、翻訳に携わる。
主な訳書に『羽』、『動物行動の観察入門』、『鳥の卵』(以上、白揚社)、『フィンチの嘴』(共訳、早川書房)、『落葉樹林の進化史』(築地書館)など多数。