- 定価 2750円(本体 2500円+税10%)
- 四六判 上製 ・336ページ
- 2012年 12月 10日 刊
- ISBNコード:978-4-8269-0167-3
- 分類コード:C0040
- Newton and the Counterfeiter by Thomas Levenson
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ニュートンと贋金づくり 天才科学者が追った世紀の大犯罪
欧州最高の知性 vs. 英国最悪の知能犯
万有引力を発見し、近代物理学に巨大な足跡を残した天才科学者ニュートン。後年は王立造幣局に長官として迎えられ、イギリスの貨幣政策に多大な貢献をしたことが知られていますが、それと同じ時期に、ある一人の贋金づくりと熾烈な頭脳戦を繰り広げていたことは、これまでほとんど語られてきませんでした。その贋金づくりの名は、ウィリアム・チャロナー。イギリス史上類を見ない巨額の贋金事件の首謀者です。
本書は、膨大な資料と綿密な分析をもとに、ニュートンの捜査官としての知られざる一面に初めてスポットを当て、事件解決にいたる攻防をスリリングに描いたノンフィクションです。天才科学者はいかにして世紀の大悪党を追ったのか……ぜひ本書をご一読ください。
目次
はじめに——「ニュートンあれ」
Ⅰ 思考法を身につける
1 「神以外の」もの
2 「人生で最高の創意の時期」
3 「私が計算したから」
4 「比類なきニュートン氏」
Ⅱ 詐欺師の生い立ち
5 「誰よりも押しの強い男」
6 「順風満帆」
Ⅲ 情熱
7 「あらゆる種の金属が……この一つの根から」
8 「このようにして無限に倍加する」
9 「たびたび暖炉のそばで眠り込んでしまいました」
Ⅳ 新しい監事
10 「国家全体の破滅」
11 「愛すべきわれらのアイザック・ニュートン」
12 「首根っこを押さえる証拠」
13 「常套手段」
14 「不可能なこと」
Ⅴ 小競り合い
15 「造幣局監事は悪党」
16 「箱いっぱいの手書きの資料」
17 「あいつがいなけりゃとっくに出ていた」
18 「新しく危険な偽造法」
Ⅵ ニュートンと贋金づくり
19 「造幣局を非難し、中傷している」
20 「このままでは国が迷惑を被る」
21 「すべき仕事をした」
22 「あなた様に来ていただけるのなら……」
23 「もし自分が死ぬことになれば、それは殺人となります」
24 「明白かつ誠実な弁護」
25 「神様がお慈悲と哀れみであなたの心を動かしてくださると望んでいます」
訳者あとがき
著者紹介
トマス・レヴェンソンマサチューセッツ工科大学教授(サイエンス・ライティング)、サイエンス・ライター、ドキュメンタリー映画製作者。主な著書に、『新しい気候の科学』(晶文社)、『錬金術とストラディヴァリ』(白揚社)がある。
翻訳者紹介
寺西のぶ子翻訳家。成蹊大学経済学部卒。主な訳書に、シャーンティデーヴァ『菩薩を生きる』(バベルプレス 共訳)、ラウファー『蝶コレクターの黒い欲望』、レーン『乱造される心の病』(ともに河出書房新社)などがある。