『生命科学クライシス』(3/8刊行)の立ち読みPDFを公開しました
2019.03.08
『生命科学クライシス――新薬開発の危ない現場』3月8日発売
刊行にあたり、立ち読みPDFを公開しました。
効果を再現できない医薬研究、約90%
捏造や改ざんよりも根深い、科学のタブーを暴く
製薬企業が53件の研究を追試したところ、結果を再現できたのはそのうちわずか6件。
再現失敗率、約90%――
命を救うはずの研究が、低すぎる再現性のために、無用な臨床試験、誤った情報、虚しい希望を生みだし続ける。ずさんな研究はなぜ横行するのか? その影響はどこまで及ぶのか? 改革は可能か?
トップ研究者から、政府組織の要人、業界の権威や慣習に立ちむかう「反逆児」、臨床試験に望みを託す患者まで、 広範な調査・取材を基に、ひそかに生命科学をむしばんできた「再現性問題」の全貌をあぶりだす。
【次々と明らかになる、ずさんな研究の実態】
- 乳がん細胞と黒色腫細胞を間違えて、1000件以上の乳がん研究がおこなわれた
- 糖尿病や心臓病などの疾患との関連が報告された遺伝子の98.8%が、のちに関連が否定された
- 実験の結果が出た後に、それをうまく説明できるように仮説を立てなおす
- わずか数匹のマウスの実験結果をもとに、人での臨床試験がおこなわれた
- マウスで開発された敗血症治療薬150種類すべてが人では効果がなかった
……生命科学では、いったい何が起きているのか?