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定価 2860円(本体 2600円+税10%)
四六判 上製 ・382ページ
2016年 8月 5日 刊
ISBNコード:978-4-8269-0191-8
分類コード:C0045
Proof: The Science of Booze by Adam Rogers

酒の科学 酵母の進化から二日酔いまで

アダム・ロジャース 著 夏野徹也 訳

最も身近で、最も謎多き飲み物

人類と酵母の出会いから、ワイン・ビール・ウイスキー・日本酒などの職人技、フレーバーの感じ方や脳への影響、二日酔いまで、今までわかっていなかった酒のすべてが明らかにする!

 

★米アマゾン・ガーディアン紙・ワイアード誌ベストサイエンスブック(2014年)に選出!

★グルマン賞ベストスピリッツブック部門(2014年)受賞作!

 

二日酔いの生理学から、果汁をアルコールに変える酵母の古遺伝学まで、酒にまつわる科学を巧みに描いた本書は、何度でも読みかえし何度でも味わえる」――カール・ジンマー(『パラサイト・レックス』『大腸菌』著者)

目次

序章
奇跡の科学/もっと酒を楽しむには/酒から人の営みを見つめる

1 酵母
冷凍された歴史/一〇〇年の論争/イヌと酵母の共通点/予想外の起源

2 糖
自然はレゴ遊びをする/糖質源を求めた人類/伝統を科学に/バイオ産業の先駆け/グレンオードのモルティング/世界でもめずらしい麹を使った酒造り/日本人科学者の夢の続き

3 発酵
実験的醸造/酵母のレントゲン写真/兵器? それともゴミ?/複雑な代謝経路/豊かな風味を生む遺伝子/注目されるマイナーな細菌たち/泡の科学/太古の酒を再現する

4 蒸留
古代エジプトの女性科学者/蒸留酒造りに精を出した医師/二度と同じウイスキーは造れない/職人技と科学の融合

5 熟成
フェニキア人の壷、ローマ人の樽/熟成の発見?/樽にワザあり/「天使の分け前」のおこぼれ/樽の中の秘密/タイムマシンを探せ!/深まるカビの謎

6 香味
みな赤ワインと白ワインの違いさえわからない/ソムリエの舌は凡人並み/舌の上の化学反応/人間はエタノールが嫌い/アン・ノーブルのホイール/におい・味のする物質さがし/科学の言葉に翻訳する/脳で味わう

7 体と脳
一九二〇年代の奇妙な研究/下戸の変異酵素に中毒治療のヒント/アルコールは脳に何をするのか?/コンピューターが酩酊状態を判定する/悪い酔いの原因はコンジナー?/酔っぱらいの文化人類学/飲む人の心理次第

8 二日酔い
民間療法のウソ/治療薬さがし/コープスは天国へ/向う見ずな人体実験/二日酔いの未来

 

結論

謝辞

訳者あとがき

参考文献

索引

著者紹介

アダム・ロジャース

ワイアード誌の編集者。同誌で特集した「天使の分け前」では、2011年度全米科学振興協会カヴリ科学ジャーナリズム賞を受賞。テレビ番組「ワイアード・サイエンス」の記者・作家でもある。ワイアード以前にはニューズウィーク誌やニューヨーク・タイムズ紙など多くの新聞・雑誌に寄稿していた。本書は米アマゾン、ワイアード誌、ガーディアン紙のベストサイエンスブック(2014年)に選ばれたほか、グルマン賞ベストスピリッツブック部門(2014年)を受賞している。ロサンゼルス出身、バークレー在住。

翻訳者紹介

夏野徹也

1944年富山県生まれ。金沢大学大学院理学研究科修了。金沢大学、群馬大学、オレゴン州立大学、日本歯科大学などで細胞生物学、微生物学の研究、教育に従事。理学修士。医学博士。2009年に定年退職した後は、晴れれば野外へ出かけ、降れば翻訳の毎日。人並みに酒を愛し、主治医には酒量を少なめに申告している。訳書にグリーンバーグ『鮭鱸鱈鮪』(地人書館)、シャー『人類五十万年の闘い マラリア全史』(太田出版)がある。

書評情報

週刊ダイヤモンド 2016年11月26日号 輿水精一(サントリースピリッツ名誉チーフブレンダー)

東京新聞・中日新聞 2016年9月18日

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