白揚社トップ > 書籍案内 > 意識する心

定価 5280円(本体 4800円+税10%)
四六判 上製 ・512ページ
2001年 12月 20日 刊
ISBNコード:978-4-8269-0106-2
分類コード:C0010
The Conscious Mind by David J. Chalmers

意識する心 脳と精神の根本理論を求めて

デイヴィッド・J・チャーマーズ 著 林 一 訳

意識とは何か? なぜ脳から心が生まれるのか? コンピュータは意識をもてるのか? これまでのややこしい哲学を明快に整理し,意識と物質を一括して支配する驚くべき根本法則に迫る。『ゲーデル,エッシャー,バッハ』のホフスタッター,『皇帝の新しい心』のペンローズにつづく知の新星チャーマーズの,心脳問題に新たな地平を切り開いたときわめて高く評価されている衝撃の論考!

目次

――意識にまともに取り組もう

 

PART ONE まずは基礎固め

 

1 心の二つの概念
意識とは何か?/ 心に関する現象的な概念と心理学的な概念/ 心的用語の二重の生
/二つの心身問題/ 意識についての二つの概念

2 付随性と説明づけ
付随性/ 還元による説明/ 論理的付随性と還元による説明/ 概念としての真と必然的な真/ ほとんど何もかもが物理的なものに論理的に付随している

 

PART TWO 意識が還元できないこと

 

3 意識は還元によって説明できるか?
意識は物理的なものに論理的に付随しているか?/ 還元による説明がうまくいっていないところ/ 認知モデル化/ 神経生物学による説明/ 新種の物理学に力を借りる/ 進化による説明/ 還元による説明は何を目指す?

4 自然主義的な二元論
唯物論に対する反論/ アポステリオリな必然性という観点からの異議/ 二元論を支持するその他の論証/ これは随伴現象説なのか?/ 論点が論理的に占めている位置/ 自然主義的二元論に関する考察

5 現象判断のパラドックス
意識と認知/ 現象判断のパラドックス/ 現象判断を説明することについて/ 説明に絡まないということへの反証/ 自己認識にもとづく立論/ 記憶による反論/ 指示による反論

 

PART THREE 意識の理論に向けて

 

6 意識と認知のコヒーレンス
非還元的理論に向けて/ コヒーレンスの原則/ さらに気づきの概念について/ コヒーレンスの原則が説明に果たす役割/ 精神物理法則としてのコヒーレンス

7 不在のクオリア、ぼやけていくクオリア、そして跳ね踊るクオリア
構成不変の原則/ 不在のクオリア/ ぼやけていくクオリア/ 反転したクオリア/ 跳ね踊るクオリア/ 還元によらない機能主義

8 意識と情報――ある考察
根本理論に向けて/ 情報の諸相/ これを裏書きするいくつかの論拠/ 経験はいたる所に存在するか?/ 情報の形而上学/ 答えが出ないままになっている問い

 

PART FOUR 応用

 

9 強い人工知能
機械意識/ 計算のインプリメンテーションについて/ 強いAIを擁護して/ 中国語の部屋とその他の反論/ 外的な反論/ 結論

10 量子力学の解釈
二つのミステリー/ 量子力学の枠組み/ 量子力学を解釈する/ エヴェレット解釈/ エヴェレット解釈への反対意見/ 結論

 

謝辞
訳者あとがき

文献
事項索引
人名索引

関連書籍