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定価 5500円(本体 5000円+税10%)
菊判 上製 ・620ページ
2018年 7月 24日 刊
ISBNコード:978-4-8269-0200-7
分類コード:C0010
I am a Strange Loop by Douglas Hofstadter

わたしは不思議の環

ダグラス・ホフスタッター 著 片桐恭弘/寺西のぶ子 訳

『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の興奮をもう一度!

 

1979年に刊行されるやいなやアメリカの出版界の話題を独占した『ゲーデル、エッシャー、バッハ』(GEB)。日本でも85年に邦訳が出るとたちまちベストセラーとなり、それから30年あまり経った今日まで、老若男女を問わず、知的好奇心あふれる読者たちを魅了し続けています。

 

本書『わたしは不思議の環』はその続編、あるいは完結編とも呼べる作品で、GEBの核心をなしていた「命をもたない物質からどうやって〈私〉は生じるのか?」という疑問に、新しいアプローチで再び挑みます。もちろん、著者お得意の饒舌と諧謔は健在。ゲーデルの自己言及構造から人間の魂に至る幅広いトピックを縦横無尽に走り抜け、「〈私〉とは何か?」という人類最大の謎に迫ります。

 

認知科学の大家でありベストセラー作家でもある著者が、自身の知見と経験をすべて注いだ新たなる知の金字塔。これぞ本物の読書体験!と言えること間違いなしの、知的な歓びが詰まった一冊です。

 

目次

感謝の言葉

まえがき――著者と著作

 

プロローグ 角突き合わせ小手調べ

第1章 魂のサイズ

第2章 揺れ動く不安と夢の球体

第3章 パターンの因果的影響力

第4章 ループ、ゴール、そして抜け穴

第5章 ビデオフィードバック

第6章 自己とシンボル

第7章 ズ~イ伴現象

第8章 奇妙なループの狩猟旅行

第9章 パターンと証明可能性

第10章 お手本としてのゲーデルの奇妙なループ

第11章 アナロジーはいかにして意味を生み出すか

第12章 下向きの因果関係について

第13章 掴みどころのない掌中の「私」

第14章 奇妙さは三「私」三様

第15章 絡み合い

第16章 何よりも深い謎に対するあがき

第17章 互いの中でどのように生きるか

第18章 人間のアイデンティティのにじんだ光

第19章 意識=思考

第20章 好意的ながらもすれ違う言葉

第21章 デカルト的自我と軽く触れ合う

第22章 ゾンビと踊るタンゴ、そして二元論

第23章 二頭の聖牛を殺す

第24章 寛大と友情について

エピローグ 板挟み

 

後記――GEBから不思議の環へ/註/文献一覧/出典と謝辞/索引

著者紹介

ダグラス・ホフスタッター

インディアナ大学教授(認知科学)。アメリカ芸術科学アカデミー会員。著書に、『ゲーデル、エッシャー、バッハ』『メタマジック・ゲーム』(ともに白揚社)、『マインズ・アイ』(編著・阪急コミュニケーションズ)、Fluid Concepts and Creative Analogies(1995), Le Ton beau de Marot(1997), Surfaces and Essences(2013, with Emmanuel Sander)がある。『ゲーデル、エッシャー、バッハ』はピューリッツァー賞を、本書『わたしは不思議の環』はロサンゼルス・タイムズ図書賞を受賞している。

翻訳者紹介

片桐恭弘/寺西のぶ子

片桐恭弘(かたぎり・やすひろ)

公立はこだて未来大学学長。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。NTT基礎研究所、ATRメディア情報科学研究所所長を経て、公立はこだて未来大学システム情報科学部教授、現在同学長。認知科学、会話情報処理、自然言語処理などの専門をベースに学際融合的な研究を推進。訳書にホフスタッター『メタマジック・ゲーム』(共訳・白揚社)。

 

寺西のぶ子(てらにし・のぶこ)

翻訳家。成蹊大学経済学部卒。主な訳書に、ブース『英国一家、日本をおかわり』『英国一家、日本を食べる』(ともにKADOKAWA)、ジャクソン『不潔都市ロンドン』、タッカー『輸血医ドニの人体実験』(ともに河出書房新社)、レヴェンソン『ニュートンと贋金づくり』(白揚社)などがある。

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