- 定価 2860円(本体 2600円+税10%)
- 四六判 上製 ・318ページ
- 2018年 2月 2日 刊
- ISBNコード:978-4-8269-0201-4
- 分類コード:C0011
- AGAINST EMPATHY by PAUL BLOOM
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反共感論 社会はいかに判断を誤るか
共感≠善
無条件に肯定されている共感にもとづく考え方が、実は公正を欠く政策から人種差別まで、社会のさまざまな問題を生み出している。
心理学・脳科学・哲学の視点からその危険な本性に迫る、全米で物議を醸した衝撃の論考。
次々と明かされる共感が持つ負の側面――
「欠陥のあるワクチン接種のせいで、かわいらしい八歳の少女レベッカ・スミスが重病にかかったとしよう。彼女が苦しむところを目のあたりにし、彼女や家族の話を聞いたとすると、あなたは共感を覚え、行動したくなるだろう。だが、ワクチン接種プログラムを中止すれば、数十人の任意の子どもが死ぬとする。この場合、あなたはそれらの子どもに共感を覚えることはないだろう。統計的な数値に共感することなどできないのだから」(第1章より)
*こちらから、訳者あとがきをご覧いただけます。
目次
はじめに
第1章 他者の立場に身を置く
第2章 共感を解剖する
第3章 善きことをなす
間奏Ⅰ 共感に基づく公共政策
第4章 プライベートな領域
間奏Ⅱ 道徳基盤としての共感
第5章 暴力と残虐性
第6章 理性の時代
謝辞
訳者あとがき
原註
著者紹介
ポール・ブルームイェール大学心理学教授。発達心理学、社会的推論、道徳心理学の世界的権威。研究のほか執筆や教育でも多数の受賞歴がある。おもな著書に『ジャスト・ベイビー―赤ちゃんが教えてくれる善悪の起源』(NTT出版)、『喜びはどれほど深い?―心の根源にあるもの』(インターシフト)があるほか、サイエンス誌、ネイチャー誌、ニューヨーク・タイムズ誌、ニューヨーカー誌などにも寄稿している。コネチカット州ギルフォード在住。
翻訳者紹介
高橋洋翻訳家。同志社大学文学部文化学科卒(哲学及び倫理学専攻)。訳書にノルトフ『脳はいかに意識をつくるのか』(白揚社)、キャロル『セレンゲティ・ルール』、ドイジ『脳はいかに治癒をもたらすか』、ドゥアンヌ『意識と脳』(以上、紀伊國屋書店)、クルツバン『だれもが偽善者になる本当の理由』(柏書房)、ダン『世界からバナナがなくなるまえに』『心臓の科学史』、エリオット『脳はすごい』(以上、青土社)ほかがある。
書評情報
朝日新聞 2018年3月11日 評・佐倉統さん(東京大学教授・科学技術社会論)