- 定価 3080円(本体 2800円+税10%)
- 四六判 上製 ・432ページ
- 2016年 2月 刊
- ISBNコード:978-4-8269-0187-1
- 分類コード:C0042
- The Physics of War by Barry Parker
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戦争の物理学 弓矢から水爆まで兵器はいかに生みだされたか
戦争が、科学技術を進化させた
弓矢や投石機から、大砲、銃、飛行機、潜水艦、さらには原爆や水爆へと、時代と共に次第に強力になっていく兵器はどのように開発されたのか?
戦争の様相を一変させた驚異の兵器とそれを生みだした科学的発見を多彩なエピソードとともに解説する。
目次
序文
1 はじめに
本書の概要
2 古代の戦争と物理学の始まり
カデシュの戦い/古代の戦闘馬車/銅、ブロンズ、鉄/アッシリア人/ギリシャ人と物理学の始まり/投石機/アレクサンドロス大王/アルキメデス
3 古代の兵器の物理学
速度と加速度/力と慣性/運動量と力積/重力の影響/エネルギーと仕事率/角運動量とトルク/機械/弓矢の物理学/投石機の物理学
4 ローマ帝国の勃興と、英仏の初期の戦い
ローマ軍とその武器/英仏の初期の戦い/ロングボウの起源と物理学
5 火薬と大砲——戦争の技法と世界を変えた発見
ロジャー・ベーコン/初期の大砲/百年戦争/ウルバン砲とコンスタンティノープル包囲/イングランドとスコットランドの戦いで使われた大砲/フランス軍/シャルル八世とナポリでの勝利
6 時代を先取りした三人——レオナルド・ダ・ヴィンチ、タルタリア、ガリレオ
レオナルドと物理学/軍事にかかわるレオナルドの発明/戦争に対するレオナルドの姿勢/タルタリア/ガリレオ/弾道学の問題
7 初期の銃から、三十年戦争、ニュートンの発見まで
戦争と銃/海での戦い/ヘンリー八世/ウィリアム・ギルバート/経度の問題/三十年戦争/スウェーデンの介入/発見の新時代をもたらしたニュートン
8 産業革命の影響
フランス革命/イギリスの産業革命/ジェームズ・ワットと蒸気機関/ウィルキンソンの鉄工技術/銃の命中精度を高めたロビンズ/フリントロック/クリスティアン・ホイヘンス/軍事技術とのかかわり
9 ナポレオンの兵器と電磁気の発見
フランス革命/大法の製造法を変えたグリボーヴァル/ナポレオンの兵器/摩擦熱を研究したランフォード伯/電気と磁気の関係/電気が戦争に及ぼした影響
10 アメリカの南北戦争
雷管の開発/ミニエー弾/ライフル銃と大砲における革命/南北戦争/電信の役割/発電機(ダイナモ)/ガトリング砲/海上での戦い/スクリュープロペラの物理学/「知るか、機雷なんか」/潜水艦/気球
11 銃弾と砲弾の弾道学
砲内弾道学/反動/過渡弾道学とソニックブーム/砲外弾道学/銃弾の安定性/終末弾道学
12 航空力学と最初の飛行機
飛行機の発明につながる発見/ライト兄弟/飛行機が飛ぶ仕組み/揚力の物理学/抗力とは/飛行機の操縦/飛行機が戦争に使われた最初の事例
13 機関銃の戦争——第一次世界大戦
機関銃の開発/その他の兵器/第一次世界大戦の開戦/初期の戦闘機/海戦と海中の脅威/毒ガス/初期の戦車/アメリカの参戦
14 無線とレーダーの開発
電磁波の生成と検出/電磁スペクトル/電波/X線/光と赤外線/レーダー/レーダーの性能を高める装置
15 ソナーと潜水艦
アルキメデスの原理/潜水艦の物理学/スクリュープロペラの動力/船体の形状と潜望鏡/航法/ソナー/水雷/魚雷の仕組み/第二次世界大戦での潜水艦
16 第二次世界大戦
大戦はいかにして始まったか/戦争に備える/フランスでの戦闘とダンケルクの戦い/レーダーの強み/ブリテンの戦い/アメリカの参戦/飛行機の進歩/戦争で使われた初期のロケット/その他の兵器と小火器/コンピューターと諜報活動
17 原子爆弾
そもそもの始まり/アインシュタインの役割/イタリア人の大発見/ハーン、マイトナー、シュラスマン/一九三八年のクリスマス/連鎖反応/大統領への書簡/開戦/イギリス側の動き/ハイゼンベルクとボーア/マンハッタン計画/最初の原子炉/マンハッタン計画は続く/トリニティ実験/ドイツ側の原爆開発/日本への原爆投下を決断
18 水素爆弾、大陸間弾道ミサイル、レーザー、そして兵器の未来
水素爆弾の開発/ウラムとテラーの大発見/最初の実験「アイヴィー・マイク」/水爆の物理学/長距離ミサイル/レーザー/半導体とコンピューター/人工衛星とドローン/未来の兵器
訳者あとがき
註
主な参考文献
著者紹介
バリー・パーカーアイダホ州立大学物理学名誉教授。物理学に関する定評ある書籍を多数執筆。邦訳書に『アインシュタインの遺産』『アインシュタインの予言』『アインシュタインの情熱』(共立出版)などがある。
翻訳者紹介
藤原多伽夫翻訳家、編集者。静岡大学理学部卒業。自然科学、探検、環境、考古学など幅広い分野の翻訳と編集に携わる。訳書に『ヒマラヤ探検史』(東洋書林)、『戦争と科学者』『「日常の偶然」の確率』(原書房)などがある。
書評情報
日本経済新聞 2016年3月27日
朝日新聞 2016年4月17日 五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
京都新聞 2016年5月1日(ほか 共同通信配信) 池内了(宇宙物理学者)
東京新聞・中日新聞 2016年5月1日