- 定価 2860円(本体 2600円+税10%)
- 四六判 上製 ・352ページ
- 2013年 4月 刊
- ISBNコード:978-4-8269-0169-7
- 分類コード:C0040
- Feathers by Thor Hanson
各ネット書店から購入する
羽
すぐれた科学書に贈られるAAAS(アメリカ科学振興会)Subaruサイエンスブックス&フィルム賞」や、アメリカ自然史博物館の「ジョン・バロウズ賞」を受賞!
フクロウは音をたてずに飛び、ペンギンは水に潜っても濡れず、ミソサザイは極寒の地でも凍えない――空気力学や防水、断熱の面からみて完璧で、色や形の多様さでも実に魅力的な羽。1億年前に登場したといわれる羽の進化には謎が多く、シソチョウや羽毛恐竜の化石は「鳥の祖先は恐竜なのか?」と大論争を巻き起こした。現在、少しずつ羽と飛行の起源が解き明かされようとしている。
本書では「進化」「断熱」「飛行」「装飾」「機能」の5つの角度から羽の世界を探っていく。ジュラ紀の恐竜化石、翼を真似た飛行機、アポロ15号の羽実験、南国の極楽鳥、綿羽(ダウン)の驚異の温度調整、ラスベガスの羽飾り、フライフィッシングのルアー、羽ペン、羽帽子の流行とダチョウ探検隊など、太古の世界から現代の科学技術まで、軽妙な語り口で羽について縦横無尽に語り尽くす。
目次
はじめに
序章 自然の奇跡
進化
第1章 ロゼッタ・ストーン
第2章断熱材、滑空装置、捕虫網
第3章 義県累層
第4章 マトンバード猟
綿羽
第5章 寒さ対策
第6章 暑さ対策
飛翔
第7章 飛行の地上起源説と樹上起源説
第8章 羽の生えたハンマー
第9章 完全な翼型
装飾
第10章 極楽鳥
第11章 婦人帽の羽
第12章 鮮やかな色合い
機能
第13章 ウミガラスと毛針
第14章 羽ペンの威力
第15章 禿げ頭の利点
終章 自然の驚異に感謝
謝辞
付録A 羽の図説
付録B 羽と保全
訳者あとがき
註
参考文献
出典一覧
索引
著者紹介
ソーア・ハンソン保全生物学者として、中央アメリカの樹木と鳴禽類、タンザニアで巣での捕食、アフリカでハゲワシの屍肉食などの野外観察研究に従事。スウィッツァー財団環境研究フェロー。ワシントン州にある島で、妻と息子と暮らしている。
本書は、優れた科学書に贈られる「AAAS(アメリカ科学振興会)Subaru サイエンスブックス&フィルム賞」や、アメリカ自然史博物館の「ジョン・バロウズ賞」などを受賞している。
翻訳者紹介
黒沢令子東京生まれ。鳥類生態学研究者、翻訳者。上智大学英文科卒。米国コネチカットカレッジで動物学修士、北海道大学で地球環境学博士を修得。現在は、NPO法人バードリサーチの研究員の傍ら、翻訳に携わる。主な訳書に『フィンチの嘴』(共訳、早川書房)、『鳥の起源と進化』(平凡社)、『鳥』(シーエムシー出版)などがある。
書評情報
毎日新聞 2013年6月2日 海部宣男(天文学者)
日本経済新聞 2013年6月16日
野鳥 2013年7月号
FRAGRANCE JOURNAL 2013年7月号
日経サイエンス 2013年8月号
沖縄タイムス 2013年7月3日(ほか 共同通信配信) 垂水雄二(翻訳家・科学ジャーナリスト)
朝日新聞 2013年8月4日 荒俣宏(作家)
AERA 2013年8/12-19号 佐藤優(作家・元外務相主任分析官)
サライ 2013年10月号
週刊朝日 2013年10/11号 養老孟司(解剖学者)