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定価 3850円(本体 3500円+税10%)
四六判 上製 ・376ページ
2008年 10月 20日 刊
ISBNコード:978-4-8269-0150-5
分類コード:C0045
SEXUAL SELECTIONS by Marlene Zuk

性淘汰 ヒトは動物の性から何を学べるのか

マーリーン・ズック 著 佐藤恵子 訳

気鋭の生物学者が、配偶システム、性行動、つがい外交尾、オーガズム、同性愛など、ヒトの性に関して広く語られている誤解と真実を、進化と行動形態学の視点から読み解きます。各紙誌評でも絶賛された一冊です。

 

「とても魅力的で説得力がある。ズックはよくあるフェミニズムのイデオローグなどではなく、類まれな透徹した眼をもつ一人の科学者である。『自然は教訓を示す実例などではありっこないし、ましてやわれわれの仮説を反証しようなどとするわけがないのだ」(ニューヨークタイムズ・ブックレビュー)

「俗っぽいセックスの話題に目を向けた大変な労作。ズックは本当に知的な書き手で、人間は自分たちの行動を動物の行動で正当化することがよくあるけれども、そこには大きな問題があることを明らかにしている」(ウォールストリート・ジャーナル)

「動物界のセックスについて、ウィットに富み、大いに刺激される研究」(ディスカバー)

目次

はじめに 頭がないことをたた頌えて 
社会生物学の素性と生い立ち
魅きつける力
遺伝子=利己的、性に関連、それともそれは誤解?
頭のない自然

 

I 性にまつわるステレオタイプをつくる偏見と思い込み
1 死んだ海鳥を「ブラザー」と呼ぶのは… 
動物の役割モデル
モデルシステム—味方なのか敵なのか
「その他」女性
2 代替のステレオタイプ——エコフェミニズム版「動物神話」  
他と違うのは劣っているわけでも優れているわけでもない
二元論とは言ってもそれほど正反対ではない性
魅惑する自然
パートナーと他人
3 母親の自己犠牲に代表される不自然な行為  
母性本能
女(雌)イコール母ではない
大事なのは繁殖の能力よりも調節
4 DNAと結婚の意味  
精管切除では穀物被害をなくせない理由
革命に突入
そもそもルールがないのなら浮気ではない
5 精子の世話と管理
精子競争
勝ち方はいくらでも
誰の器官の話?
ゲームの規則、あるいは雌が組み立てたゲーム
雌による隠れた選択

 

II 不自然な神話
6 性と《自然の階梯》——あるいは溝の中の蠕虫  
ものさし、はしご梯子、アリストテレス
《階梯》に賛成か反対か
梯子を外す
7 ボノボ——新千年紀のイルカたち
クジラとイルカとモナリザと
相性コンテストの勝者
多雨林における性的平等
話をするサル
チンパンジーは火星人、ボノボは金星人
8 アルファチキン
どこがニワトリみたいなのか?
神話その1 動物相互の支配関係は一般的で、明快で、常に有益なもの
神話その2 雌が凶暴だったり攻撃的だったりすることはめったにない
神話その3 人間は日常的に自分たちの仲間を殺す唯一の動物であり、他の動物は種の繁栄のためにそれを我慢する
神話その4 雄の攻撃性は獲物を狩ることと結びついている

 

III ヒトの性淘汰への視点
9 サッカー、適応の産物、オーガズム
マイ・フェア・レディのクライマックス
非適応的なものか適応か?
オーガズムのジャックポット理論、 ポールアックス仮説、そしてその他の働き
もしそれが他の種にとっても良いものなら
では、男性はどうなのか?
10 聖俗論争=神の恵みかただの細胞か——月経の意味
文化でも臨床でも呪われたもの
月経問題
プロフェット登場
呪いでなく天恵に違いない
代替の理論とあばかれた若干の神話
月経とコンフリクト葛藤
もうウンザリか?
11 セックス性行為じゃない、ただ会っていると楽しいんだ
ゲイの脳、ゲイの兄弟、ゲイの遺伝子
鳥やミツバチもする?
ネイチュアとナーチュアとナンセンス
進化と同性愛
そもそもセックス性行為とは何なのか
12 ハタネズミは数学ができるか
足し算と引き算
道を見つけだす
ハタネズミと男たちについて
性的な空間移動能力が教えてくれること

 

結論 不自然な境界線
時として、ヘビはまさにヘビでしかないのだ
第一印象
ステレオタイプを越えて
更新世にできたスパンドレル

 

謝辞
訳者あとがき
推奨文献
人名索引
事項索引

書評情報

日経新聞書 2008年11月16日

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