- 定価 2970円(本体 2700円+税10%)
- 四六判 上製 ・416ページ
- 2015年 2月 刊
- ISBNコード:978-4-8269-0178-9
- 分類コード:C0040
- The Forever Fix by Ricki Lewis
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「永久に治る」ことは可能か? 難病の完治に挑む遺伝子治療の最前線
「光だ!」 2008年、先天性の眼病で失明しかけていた8歳のコーリー少年は、遺伝子治療の臨床試験の4日後に光を取り戻した。
遺伝子の欠陥を修正することで病気の完治をめざし、90年代には「革命的治療」として期待を集めた遺伝子治療。臨床試験で患者が死亡するという事件の後、十数年にわたって停滞していたこの治療法が、いままた注目を集めている。
遺伝子治療の仕組みと歴史を明快に説明しながら、安全な治療法の開発に取り組む研究者、難病に立ち向かう患者、遺伝子治療の実現をめざす患者の家族など、先天性の難病と闘うさまざまな立場の人々の声を通して、多角的にアメリカの遺伝子治療の最前線に斬り込む科学ノンフィクション。
目次
はじめに
第1部 起こり得る最良の事態
1 コーリーに会いに
2 診断までの道のり
3 コーリーのどこが悪いのか?
第2部 起こり得る最悪の事態
4 ブレークスルーの神話
5 ジェシーとジム——臨床試験に臨んだ青年と医師
6 悲劇
第3部 アイデアの進化
7 SCIDキッズ——重症複合型免疫不全症の子どもたち
8 挫折
9 ロレンツォとオリヴァー——副腎白質ジストロフィーと闘った少年たち
第4部 遺伝子治療の前に
10 ハンナ——稀少疾患に立ち向かう少女
11 ローリ——勇敢な母親
第5部 遺伝子治療のあとで
12 驚くべき女性たち
13 ユダヤ人特有の遺伝病
14 特許が生みだす苦境
15 ひとすじの希望の光を追って
第6部 コーリーの物語
16 クリスティーナのイヌたち
17 ランスロット——光を取り戻したイヌ
18 成功!
19 再びフィラデルフィア小児病院へ
20 未来
おわりに
謝辞
訳者あとがき
註
著者紹介
リッキー・ルイス遺伝学の博士号をもつサイエンスライター。大学で広く使われている遺伝学の教科書(Human Genetics)や、「ネイチャー」「ディスカヴァー」誌をはじめとする雑誌に多くの記事を執筆するかたわら、遺伝カウンセリングも行なっている。
翻訳者紹介
西田美緒子翻訳家。津田塾大学英文科卒業。主な訳書に『クリックとワトソン』『ルイ・パスツール』(以上、大月書店)、『犬はあなたをこう見ている』『世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え』『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』(以上、河出書房新社)、『音楽好きな脳』『細菌が世界を支配する』(以上、白揚社)など多数。
書評情報
日経サイエンス 2015年4月号 中西真人(産業技術総合研究所)
公明新聞 2015年3月30日 山元大輔(東北大学大学院教授)