- 定価 3960円(本体 3600円+税10%)
- 四六判 上製 ・424ページ
- 2001年 10月 15日 刊
- ISBNコード:978-4-8269-0105-5
- 分類コード:C0040
- 在庫状況:品切
- The Monkey Wars by Deborah Blum
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なぜサルを殺すのか 動物実験とアニマルライト
「遊んで」と身振りで語りかけてくる,私たちに負けないぐらいコンピュータゲームに熱中する――そんな高度な知能をもつサルたちを実験に使い,命を奪うことが許されるのか? 「動物の権利」擁護運動家と科学者が繰り広げる熾烈な戦いを軸に,最新の脳科学,エイズワクチン,異種間臓器移植,新種のウイルスの合成といったホットな話題を絡めながら,動物実験の必要性と負の側面を鮮やかに描き出す。
目次
はじめに
1 アウトサイダー
「かの有名なチンパンジー」/ チンパンジーはどこまでヒトに近いのか?/ 体制との対立、研究助成の打ち切り/ 箱詰めにされたチンパンジー
2 暴れ者とコンピュータゲーム
NASAとサルとジョイスティック/ 霊長類の研究が支えた医学の進歩/ サルに論理的思考ができるか?
3 ブラックボックス
サルの脳を切り開く/ 記憶のメカニズム/ 海馬と扁桃核をめぐる謎/ 「動物殺戮者」
4 罠
張りめぐらされた有刺鉄線/ サルの隔離実験と「絶望の淵」装置/ 虐待か真理の探究か
5 悪魔の顔
シルバースプリング事件/ 動物擁護運動と科学界――対立の歴史/ 研究所襲撃/ 成果をあげた擁護運動、そして闘う科学者の登場/ うそ、疑心暗鬼、サルの運命
6 義足のブタ
赤ん坊とネズミ、どちらを助けるのか/ 二極化/科学者の組織化
7 見ざる、聞かざる、言わざる
覆い隠される情報/ メディアヘの圧力/ 動物擁護運動家が一目おく一流研究所/ 言論の自由をめぐる熾烈な闘い
8 スープの塩
動物の心理的幸福とは何か/ 力をもち始めた新世代の研究者
9 よい死に方ではない
サル免疫不全ウイルス/ 動物モデルの限界/ サルを使ったエイズ研究は無駄なのか
10 ばかな科学者
動物の臓器を人に移植する/ Bウイルス、SV40、そして工ボラ/ 種の壁の打破/ 凶暴なウイルスが誕生したら
11 最後のマンガベイ
緊急指名手配微生物/ 消滅する熱帯林/ アフリカでサルを手に入れるとは
12 ひとつの種族
研究施設の開放と社会的飼育/ 物ではない/ 進化の時期
訳者あとがき
註